中島理論で見るGIレースの勝ち馬(1991年編)

[まとめ]

14頭のGI勝ち馬のうち、4代血統構成にNorthern DancerおよびNative Dancerを持つ馬は5頭でした。イソノルーブル、トウカイテイオー、メジロライアン、レオダーバン、ニシノフラワーの5頭です。直父系にNorthern Dancerを持つ3頭のうちイソノルーブルは牝馬、メジロライアンは準0遺伝となっています。レオダーバンが直父系にNorthern Dancerが有数値で残る牡馬として、2000年7月現在のところ、最後の菊花賞馬となっています。

母父系にNorthern Dancerを持つ2頭、トウカイテイオーとニシノフラワー。中島氏は、Northern Dancerが4代血統構成のいずれの位置にあっても、「Northern Dancerを有数値で保有している牡馬は将来の種牡馬として不適格」と述べられることが多いです。しかし、ある牡馬が種牡馬となった時に、その牡馬の母父、祖母父、曾祖母父の各父系は4代血統構成以外の位置となるため影響は薄くなります。これは中島氏ご自身も語られています。

なお、種牡馬の母の父がノーザンテーストなのでNorthern Dancerが入っているが、主要サイアー・ラインではないのでその影響力は薄く、秋はマイルCSはもちろん天皇賞でも好走が期待できる。

−『競馬最強の法則』誌、1996年9月号、P73(トロットサンダーの解説)より抜粋。−

繁殖界に警鐘を促すという意味で、中島氏はNorthern DancerおよびNative Dancerの保有状態をことさら強調して述べられたのかもしれません−ブルー0の出現により「クロスによる0化」という概念が出来てしまった現在では、Northern Dancerを保有している馬の方がクロスを作りやすいということにもなりますが−。しかし、何にせよトウカイテイオー、ニシノフラワーの両頭とも、後に複数GIを制覇することになります。トウカイテイオーは父の初年度産駒、ニシノフラワーは持ち込み馬です。産駒の絶対数が少ない種牡馬の仔どもということもあり、闘争本能がより強い馬たちであると言えます。