中島理論で見るGIレースの勝ち馬(1993年編)

GI勝ち馬を中島理論で考察してみようという企画です。

中島理論で見るGIレースの勝ち馬(1993年編)
JRAGI(全16レース施行)
レース名
(施行条件)
勝ち馬名
(生年月日)
Family
No.
4代血統構成
(資質固定指数)
潜在能力値 特記事項 飽和先祖の保有状態
第53回
桜花賞
(阪神・芝1600m)
ベガ
(1990.3.8)
9 A  A  y  A
(0.75)
6.00 父初年度産駒 Northern Dancer有
Native Dancer有
第53回
皐月賞
(中山・芝2000m)
ナリタタイシン
(1990.6.10)
1 A  B  A  C
(0.50)
5.00 父初年度産駒 Northern Dancer無
Native Dancer無
第107回
天皇賞・春
(京都・芝3000m)
ライスシャワー
(1989.3.5)
1 A  A  A  F(8)
(1.00)
17.00 アイリッシュアイズ系 Northern Dancer有
Native Dancer有
第43回
安田記念
(東京・芝1600m)
ヤマニンゼファー
(1988.5.27)
1 A  A  G  F
(0.50)
12.00 バドミントン系 Northern Dancer無
Native Dancer無
第54回
オークス
(東京・芝2400m)
ベガ
(1990.3.8)
9 A  A  y  A
(0.75)
6.00 父初年度産駒 Northern Dancer有
Native Dancer有
第60回
日本ダービー
(東京・芝2400m)
ウイニングチケット
(1990.3.21)
11 A  A  A  A
(1.00)
15.00 クレイグダーロッチ系
父初年度産駒
Northern Dancer有
Native Dancer有
第34回
宝塚記念
(阪神・芝2200m)
メジロマックイーン
(1987.4.3)
7 E(18)  F  B  E(12)
(0.25)
1.00 アストニシメント系 Northern Dancer無
Native Dancer無
第108回
天皇賞・秋
(東京・芝2000m)
ヤマニンゼファー
(1988.5.27)
1 A  A  G  F
(0.50)
12.00 バドミントン系 Northern Dancer無
Native Dancer無
第54回
菊花賞
(京都・芝3000m)
ビワハヤヒデ
(1990.3.10)
13 A  A  G  F
(0.33)
2.64 持込馬 Northern Dancer0化
Native Dancer0化
第18回
エリザベス女王杯
(京都・芝2400m)
ホクトベガ
(1990.3.26)
9 A  C  A  D
(0.33)
1.65    Northern Dancer0化
Native Dancer0化
第10回
マイルチャンピオンシップ
(京都・芝1600m)
シンコウラブリイ
(1989.2.2)
4 A  C  A  C
(0.66)
5.94 マル外馬 Northern Dancer0化
Native Dancer0化
第13回
ジャパンカップ
(東京・芝2400m)
レガシーワールド
(1989.4.23)
4 A  B  C  E
(0.25)
4.50 プロポンチス系 せん馬のため
父系コンプレックスの対象外
第45回
阪神3歳牝馬S
(阪神・芝1600m)
ヒシアマゾン
(1991.3.26)
7 A  A  D  A
(0.66)
2.64 マル外馬 Northern Dancer0化
Native Dancer0化
第45回
朝日杯3歳S
(中山・芝1600m)
ナリタブライアン
(1991.5.3)
13 A  A  G  F
(0.33)
1.98 父初年度産駒 Northern Dancer0化
Native Dancer0化
第27回
スプリンターズS
(中山・芝1200m)
サクラバクシンオー
(1989.4.14)
4 A  A  E  B
(0.50)
5.00 母の初仔 Northern Dancer有
Native Dancer有
第38回
有馬記念
(中山・芝2500m)
トウカイテイオー
(1988.4.20)
19 E  A  A  E
(0.75)
9.75 星友系
父初年度産駒
父仔制覇
Northern Dancer有
Native Dancer有

潜在能力値は数値が少ないほど大きいことを示しています。

[まとめ]

この1993年は『血とコンプレックス』が発刊された年です。中島理論的には、結構象徴的な年になりました。

5つのクラシックレースを制したのは新種牡馬の仔、あるいは持込馬でした。産駒の絶対数が少ない種牡馬の仔がGIレースを制する傾向は、この1993年あたりから顕著になっていきました。特に社台グループと早田牧場(CBスタッド)の導入する種牡馬の成績が抜群に良いですね。まったく周知の事実ですが。

また、牡馬クラシックを制した3頭−ナリタタイシン、ウイニングチケット、ビワハヤヒデ−には、もうひとつ共通点がありました。それは「母が仔を受胎したのが8歳時であった」ということです。つまり、料的遺伝値の受け渡しが「2.00(0.00)」であったということです。この3頭は「母から仔」でしたが、4回の世代交代すべてに着目すると、この1993年のGI勝ち馬たちは「ベガ、ナリタタイシン、ライスシャワー(2回)、ウイニングチケット、メジロマックイーン、ビワハヤヒデ、ホクトベガ、シンコウラブリイ、レガシーワールド(2回)、サクラバクシンオー」と10頭が、「2.00(0.00)」の料的遺伝値の受け渡しをボトムラインのどこかで持っています。

Northern Dancer系種牡馬を父に持つ馬は4頭。ホクトベガ、シンコウラブリイ、レガシーワールド、ヒシアマゾンの4頭がそうです。そのうちレガシーワールドはせん馬。ホクトベガ、シンコウラブリイ、ヒシアマゾンは牝馬で、いずれも父が8歳時の0交配を受けています。実質、Northern Dancerを直父系に有数値で持つ馬は、1頭もGIレースを勝利することができませんでした。

クラシックは「新種牡馬(持込馬)」、秋は「Northern Dancerが0遺伝の牝馬&せん馬」というのがひとつのキーポイントになりました。いずれにせよ、日本競馬の新しい時代の幕開けを感じさせる1993年でした。

2000〜2008  オオハシ  colorfulmelody.nakajima@gmail.com