2000年後期のGIレースの勝ち馬回顧(その2)

今回は2000年後期のGIレース勝ち馬の中島理論的回顧をしてみようと思います。その2回目はエリザベス女王杯、マイルチャンピオンシップ、ジャパンカップダート、ジャパンカップの4レースの勝ち馬たちです。<2001年1月20日>

第25回エリザベス女王杯(芝2200m) 11月12日 京都 曇・良 勝ち馬 ファレノプシス(勝時計2分12秒8)

ファレノプシス   牝   黒鹿毛   1995.4.4生   Family No.13-C   ファレノプシスの4代血統表
父ブライアンズタイム(1985.5.28)  母キャットクイル(1990.5.22)  母の父Storm Cat(1983)

3歳時の秋華賞以来の勝ち鞍となりました、5歳時のエリザベス女王杯。胡蝶蘭、見事に返り咲いてGI3勝目となりました。GI3勝を達成した牝馬はメジロドーベル、メジロラモーヌ、ニシノフラワーに次いで4頭目となりました。

このファレノプシス、そして従兄のビワハヤヒデ&ナリタブライアンは、4代血統構成の最優性先祖がBlandford系のAcropolisとなっています。非主流の父系を最優性先祖とするのは良いと考えます。また、3頭いずれも4代血統構成馬の活性値が別数値ということで、知的素質の向上化が図られています。付け加えて、ファレノプシスはその母キャットクイルが4歳時交配の初仔となります。

ファレノプシスは、いわゆる「近年最強世代」と喧伝される1995年生まれ世代の牝馬代表ですね。ロンドンブリッジ、エアデジャヴー、ロッチラヴウインク、マックスキャンドゥ、エイダイクインなどを引き連れてレコード勝ちした桜花賞は特に印象に残るレースでした。また、早田牧場生産で大久保正陽厩舎所属のブライアンズタイム産駒、ナリタルナパークを2着に引き連れて「ナリタブライアン追悼レース」となった秋華賞も、実にしっかりした勝ちっぷりでした。「胡蝶蘭」という意味の馬名も美しく、記憶に残る名牝でした−でも、SSを種付けするのはやめてほしいなぁ……

ファレノプシスの4代血統構成&4代父系の活性値&4代父系の分枝状況
母父 祖母父 曾祖母父
ブライアンズタイム
(Hail to Reason系)
Storm Cat
(Northern Dancer系)
Damascus
(Teddy系)
Acropolis
(Blandford系)
父の活性値 母父の活性値 祖母父の活性値 曾祖母父の活性値
0.25
(9歳時交配)
1.50
(6歳時交配)
0.00
(8歳時交配)
1.75
(7歳時交配)
父の分枝状況 母父の分枝状況 祖母父の分枝状況 曾祖母父の分枝状況
Nearcoの5代孫 Nearcoの4代孫 Bend Orの10代孫 Birdcatcherの10代孫
ファレノプシスのB&B理論的総括
8代残牡先祖数 マジック数 潜在能力指数 少ない先祖etc
9/128 0 9.00 Northern Dancer0化
Acropolis
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 何番仔?
Acropolis
(Rose Red)
5.25 or 3.25 従兄にナリタブライアン
(No.13-C)
初仔

※潜在能力は数値が少ないほど大きいことを示しています。

第17回マイルチャンピオンシップ(芝1600m) 11月19日 京都 晴・良 勝ち馬 アグネスデジタル(勝時計1分32秒6)

アグネスデジタル   牡   栗毛   1997.5.15生   Family No.22-D   アグネスデジタルの4代血統表
父Crafty Prospector(1979)  母Chancey Squaw(1991)  母の父Chief's Crown(1982)

「京都の外回りは的場均」。このフレーズも、もう使えなくなります。的場騎手の青い紐手綱に操られた栗毛の外国産馬が、その父Crafty Prospectorの産駒として、米日通じて初めてのGIホースとなりました。ダートGIIIである武蔵野S2着からの芝替わりということで、アグネスデジタルの気分のリフレッシュ効果が大きく作用したのでしょうか、見事な末脚でした。

アグネスデジタルはご存知の通りダートの3歳GIIIであるユニコーンSの勝ち馬です。5回という短い歴史の重賞ですが、その勝ち馬を回顧してみると……、

  1. シンコウウインディ  ……後にフェブラリーS(GI)勝ち。
  2. タイキシャトル  ……GI5勝の歴史的名短距離馬。
  3. ウイングアロー  ……言わずと知れた現役ダート王。
  4. ゴールドティアラ  ……マイルチャンピオンシップ南部杯(統一GI)勝ち。
  5. アグネスデジタル  ……マイルチャンピオンシップ(GI)勝ち。

第1回のシンコウウインディはバトルラインの降着による繰り上がり優勝ですが、それでも全ての勝ち馬たちが後にGIレースを勝利しています。好素材の集まるレースなんですね、ユニコーンSって。

アグネスデジタルは、その母Chancy Squawが5歳時交配の初仔となります。また、このレースの2着馬ダイタクリーヴァも、その母スプリングネヴァーが4歳時交配の初仔となります。初仔のワンツーフィニッシュでした。

アグネスデジタルの4代血統構成&4代父系の活性値&4代父系の分枝状況
母父 祖母父 曾祖母父
Crafty Prospector
(Mr.Prospector系)
Chief's Crown
(Northern Dancer系)
Alleged
(Ribot系)
Wild Risk
(Rabelais系)
父の活性値 母父の活性値 祖母父の活性値 曾祖母父の活性値
0.25
(17歳時交配)
0.00
(8歳時交配)
1.25
(5歳時交配)
1.25
(21歳時交配)
父の分枝状況 母父の分枝状況 祖母父の分枝状況 曾祖母父の分枝状況
Phalarisの7代孫 Phalarisの6代孫 Eclipseの18代孫
(Rabelaisの8代孫)
Eclipseの12代孫
(Rabelaisの孫)
アグネスデジタルのB&B理論的総括
8代残牡先祖数 マジック数 潜在能力指数 少ない先祖etc
6/128 1 4.50 Northern Dancer0化
Wild Risk
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 何番仔?
Alleged
(Princess Pout)
3.00 近親にBlushing Groom
(No.22-D)
初仔

※潜在能力は数値が少ないほど大きいことを示しています。

第1回ジャパンカップダート(ダート2100m) 11月25日 東京 晴・良 勝ち馬 ウイングアロー(勝時計2分7秒2)

ウイングアロー   牡   鹿毛   1995.3.25生   Family No.11-F ウイングアローの4代血統表
父アサティス(1985.3.28)  母サンヨウアロー(1988.4.11)  母の父ミスターシービー(1980.4.7)

ユニコーンSの勝ち馬が2週連続、母馬の初仔が3週連続のGI制覇となりました第1回ジャパンカップダート。工藤嘉見調教師に最後のGIをプレゼントしたウイングアローが、今度は南井克巳調教師に初のGIを、そして岡部幸雄騎手には最年長GI制覇の記録更新をプレゼントしました。偉い馬です。TVでの観戦でしたが、4コーナーを上がって来た時の脚力と迫力は、当分忘れられないと思います。勝ち時計2分7秒2はレコードタイムでした。ジャパンカップがメアジードーツのレコード勝ちで始まったように、ジャパンカップダートもレコード勝ちで始まりました。

ウイングアローの4代血統構成&4代父系の活性値&4代父系の分枝状況
母父 祖母父 曾祖母父
アサティス
(Northern Dancer系)
ミスターシービー
(Princely Gift系)
ネヴァービート
(Never Say Die系)
ヒンドスタン
(St.Simon系)
父の活性値 母父の活性値 祖母父の活性値 曾祖母父の活性値
0.25
(9歳時交配)
1.75
(7歳時交配)
1.00
(20歳時交配)
1.00
(20歳時交配)
父の分枝状況 母父の分枝状況 祖母父の分枝状況 曾祖母父の分枝状況
Nearcoの4代孫 Nasrullahの4代孫 Nasrullahの孫 Eclipseの14代孫
ウイングアローのB&B理論的総括
8代残牡先祖数 マジック数 潜在能力指数 少ない先祖etc
9/128 1 6.75 Northern Dancer準0化
ヒンドスタン
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 何番仔?
ミスターシービー
(アドミラルバード)
4.75 叔父にユーセイトップラン
(No.11-F)
初仔

※潜在能力は数値が少ないほど大きいことを示しています。

第20回ジャパンカップ(芝2400m) 11月26日 東京 晴・良 勝ち馬 テイエムオペラオー(勝時計2分26秒1)

テイエムオペラオー   牡   栗毛   1996.3.13生   Family No.4-M   テイエムオペラオーの4代血統表
父オペラハウス(1988.2.24)  母ワンスウェド(1984.3.18)  母の父Blushing Groom(1974)

『世紀末王者』テイエムオペラオーが、外国の強豪馬&国内の常連馬たちを押さえて重賞7連勝を達成しました。このジャパンカップの勝利により総収得賞金は12億1647万7000円となり、世界の賞金王となりました。宝塚記念天皇賞・秋に続いて2着となったメイショウドトウにとっては、ホントに目の上のタンコブ状態のテイエムオペラオー。いつでもちょっとだけ前にいます。けれど、かのシンザンがそうであったように、本当に強い馬というのは接戦に強い馬なのでしょうね。メイショウドトウを管理される安田伊佐夫調教師は、故・武田文吾調教師のお弟子さんだけに、イヤと言うほど理解なさっているのではないでしょうか。

テイエムオペラオーの4代血統構成&4代父系の活性値&4代父系の分枝状況
母父 祖母父 曾祖母父
オペラハウス
(Northern Dancer系)
Blushing Groom
(Red God系)
Key to the Kingdom
(Bold Ruler系)
Drone
(Sir Gaylord系)
父の活性値 母父の活性値 祖母父の活性値 曾祖母父の活性値
1.75
(7歳時交配)
0.25
(9歳時交配)
1.75
(7歳時交配)
1.00
(4歳時交配)
父の分枝状況 母父の分枝状況 祖母父の分枝状況 曾祖母父の分枝状況
Nearcoの4代孫 Nasrullahの孫 Nasrullahの孫 Nearcoの4代孫
テイエムオペラオーのB&B理論的総括
8代残牡先祖数 マジック数 潜在能力指数 少ない先祖etc
17/128 0 17.00 Northern Dancer有
Key to the Kingdom
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 何番仔?
オペラハウス 4.50 ティンバーカントリーも同牝系
(No.4-M)
7番仔
(不受胎後)

※潜在能力は数値が少ないほど大きいことを示しています。

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