2003年クラシック世代のGI候補生たち(牡馬編)

[Notes]

若駒S(OP)を差し切りました、リンカーン。

リンカーンの最優性先祖は祖母父Sadler's Wells、形相の対象は母グレースアドマイヤと判断しました。Sadler's Wellsは現役時代に愛英仏で11戦6勝、2着4回。その主な勝ち鞍に愛2000ギニー(GI)、英エクリプスS(GI)、フィーニクスチャンピオンS(愛GI)、愛ダービートライアルS(GII)、ペレスフォードS(愛GII)があります。現役時代はマイルから中距離で真価を発揮したSadler's Wellsでしたが、種牡馬としてはマイルからクラシックディスタンスまで、幅広い距離での活躍馬を輩出しています。その主な代表産駒には、英ダービー(GI)とブリーダーズカップ・ターフ(米GI)の両レースを制した初めての馬High Chaparral(1999.3.1)、英ダービー、愛ダービー(GI)、"キング・ジョージ"(英GI)を無敗で勝ち抜いたGalileo(1998.3.30)、凱旋門賞(仏GI)などGI6勝のMontjeu(1996.4.4)、仏ダービー(GI)と愛ダービーを制したオールドヴィック(1986.4.27)、同じく仏ダービーと愛ダービーを制したドリームウェル(1995.1.31)、英オークス(GI)と愛ダービーを制したSalsabil(1987)、凱旋門賞馬カーネギー(1991.2.26)、"キング・ジョージ"の勝ち馬オペラハウス(1988.2.24)、同じく"キング・ジョージ"の勝ち馬King's Theatre(1991)、英オークスなどGI3勝のIntrepidity(1990)、英オークスと英1000ギニー(GI)を制したMoonshell(1992)、英オークスと愛1000ギニー(GI)を制したImagine(1998)、英セントレジャー(GI)馬Milan(1998)、ブリーダーズカップ・ターフの勝ち馬In the Wings(1986)、同じくブリーダーズカップ・ターフの勝ち馬Northern Spur(1991)、英2000ギニー(GI)馬King of Kings(1995)、同じく英2000ギニー馬アントレプレナー(1994.3.7)、ブリーダーズカップ・マイル(GI)の勝ち馬Barathea(1990)などなど。まだまだいっぱい、欧米のGI勝ち馬はいます。

リンカーンの牝系は、欧州で受け継がれている1号族。近親の主な活躍馬には伯父にダービー馬フサイチコンコルド(1996.2.11)がおり、叔父に京成杯(GIII)の勝ち馬ボーンキング(1998.5.13)がいます。↓に簡単な近親牝系図を示しておきます。ご参照ください。

Sunny Valley　1972　愛仏2勝
｜Dancing Shadow　1977　英仏2勝　ナッソーS(英GII)3着
｜｜Maid of Erin　1982
｜｜｜エリンバード　1991.1.25　伊1000ギニー(GII)
｜｜River Dancer　1983　モルニー賞(仏GI)2着
｜｜｜Spectrum　1992　愛2000ギニー(GI)　チャンピオンS(英GI)
｜｜Dancing Bloom　1990　プリンセス・ロイヤルS(英GIII)
｜Sun Princess　1980　英仏3勝　英オークス(GI)　英セントレジャー(GI)　ヨークシャー・オークス(英GI)
｜｜Prince of Dance　1986　デューハーストS(英GI)
｜｜バレークイーン　1988.4.16　不出走
｜｜｜フサイチコンコルド　1993.2.11　3勝　日本ダービー(GI)　すみれS(OP)
｜｜｜グレースアドマイヤ　1994.2.20　5勝　府中牝馬S(GIII)2着
｜｜｜｜リンカーン　2000.3.18　(本馬)
｜｜｜ボーンキング　1998.5.13　現役　京成杯(GIII)
｜｜Ballet Prince　1990　オレアンダー・レネン(独GIII)2着
｜Ploy　1984　英0勝
｜｜Poliuto　1991　伊2000ギニー(GI)
｜Elevate　1985　英愛2勝
｜｜アドマイヤラピス　1992.4.15　7勝　嵐山S(OP)　セプテンバーS(OP)
｜Saddler's Hall　1988　英米仏6勝　コロネーションC(英GI)など英重賞5勝

ベタな良血馬でも、府中の2400mに向きそうな血統の持ち主です。リンカーン、果たして偉大な伯父に続くことができるのでしょうか。楽しみにしましょう。