Home >> B&B >> 第62回オークス出走馬(その2)

第62回オークス出走馬について、中島理論的考察を中心に述べてみたいと思います。その第2回目はフローラS1着から3着馬、スイートピーS1&2着馬たちです。<初出:2001/05/16>

※先祖馬の生年月日の後にある(  )内の数値は、受け渡した活性値の値を示しています。

馬名 8代残牡先祖数 潜在能力指数 少ない先祖
(父)オイワケヒカリ
黒鹿毛 1998.2.26[F13-A]
16/128
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プロント
形相の遺伝 料の遺伝 母の何番仔?
モガミ(Lyphard) 5.00 9番仔(産駒なし後)
母父 祖母父 曾祖母父
ダンスインザダーク(1.00)
鹿毛 1993.6.5
モガミ(1.75)
青鹿毛 1976.5.18
アローエクスプレス(1.00)
鹿毛 1967.4.10
プロント(0.25)
鹿毛 1963.4.23
祖母 曾祖母 4代母
ハシノペンダント(1.25)
鹿毛 1984.3.6
シュウザンレディ(0.75)
栗毛 1980.4.6
シュウザンプロント(1.50)
鹿毛 1973.4.29
シュウザンドータ(1.50)
黒鹿毛 1966.3.25

[Notes]
しぶとい末脚でオークストライアル・フローラSを制しました、オイワケヒカリ。デビュー以来1800m以上のレースを一貫して使われている「中長距離志向」が、オークス本番でも生きるのでしょうか。

[セールスポイント]
本馬は、母が「産駒なし後」の9番仔として生産されました。母も祖母の「初仔」となり、活力のある世代交代がなされています。料的遺伝値の総和も『5.00』と高く、安定した走りを見せてくれます。配合面では、4代血統構成が「Nearco系×3、St.Simon系×1」で資質の固定がなされています。形相の遺伝は『モガミ』を強く受け、粘液質的な我慢強い末脚を身上としています。

[ウイークポイント]
「別路線組は初対馬が多く精神的に有利」なはずです。しかし、ことオークスに関して言えば、「全く別路線からやってきたトライアルGII勝ち馬」というタイプはことごとく敗れ去っています。長い距離の経験があるとは言え、激戦をくぐり抜けて来た馬たちに対して太刀打ちできていないのが実情です。また、本馬はSS系種牡馬ダンスインザダークの産駒です。多頭数出走が見込まれる同父系馬に混じり、序列闘争で上位争いができるでしょうか。ひとつ確実なのは、同じダンスインザダーク産駒であるムーンライトタンゴとの1着2着はないことです。

馬名 8代残牡先祖数 潜在能力指数 少ない先祖
レディパステル
黒鹿毛 1998.4.26[F1-L]
13/128
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Dr.Fager
形相の遺伝 料の遺伝 母の何番仔?
トニービン 2.75 4番仔
母父 祖母父 曾祖母父
トニービン(1.50)
鹿毛 1983.4.7
Blushing Groom(1.25)
栗毛 1974
Dr.Fager(1.25)
鹿毛 1964.4.6
Nearco(1.25)
黒鹿毛 1935.1.24
祖母 曾祖母 4代母
ピンクタートル(0.25)
栗毛 1988.3.2
Turtle Cove(0.25)
黒鹿毛 1970
Sunny Cove(1.00)
栗毛 1957
Sunny Gulf(1.25)
黒鹿毛 1951

[Notes]
関東馬のワンツーとなったオークストライアル・フローラSの片棒を担いだのは、トニービンの娘・レディパステルでした。ケント・デザーモ騎手に操られての2着でしたが、気持ち早仕掛けの感じがしただけに、陣営は悔しい思いをされたのではないでしょうか。

[セールスポイント]
4代血統構成の祖母父にHimyar系のDr.Fager(Whaleboneの14代孫)を用いることにより、他のNearco×3系に対する浄化作用を生み出しています。また、4代母がSunny Gulfということは、同牝系にフサイチコンコルドがいるということです。形相遺伝の対象が『トニービン』ということも合わせて、府中の2400m戦では能力の発揮出来得る血統構成です。

[ウイークポイント]
フローラSの勝ち馬同様、2着馬も本番では「まったく」と言ってよいほど良績がありません。トライアル2着馬のオークス勝ちは、1979年のアグネスレディーまでさかのぼります。また、本馬の4代血統構成を見ると『1.50、1.25、1.25、1.25』で活性値の受け渡しがなされています。異系を組み込んでいる分マシではありますが、やや単調な競馬になりやすいと考えます。展開が向けば……。

馬名 8代残牡先祖数 潜在能力指数 少ない先祖
ローズバド
青毛 1998.4.29[F1-W]
18/128
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形相の遺伝 料の遺伝 母の何番仔?
サンデーサイレンス 5.25 初仔
母父 祖母父 曾祖母父
サンデーサイレンス(0.75)
青鹿毛 1986.3.25
Shirley Heights(0.25)
鹿毛 1975
Lyphard(0.50)
鹿毛 1969
Secretariat(0.25)
栗毛 1970.3.30
祖母 曾祖母 4代母
ロゼカラー(1.00)
鹿毛 1993.2.15
ローザネイ(1.00)
鹿毛 1988.2.9
Riviere Doree(1.75)
栗毛 1980
Riverqueen(1.50)
鹿毛 1973

[Notes]
熱発で桜花賞を回避した後のオークストライアル・フローラSで3着となりました、ローズバド。桜花賞トライアル・報知杯フィリーズレビューで見せた切れ味を、府中の舞台でも見せつけることができるのでしょうか。オークス4着と敗れた母の雪辱はなりますでしょうか。

[セールスポイント]
本馬は母の「初仔」となり、母も祖母の「初仔」となります。「空胎後(初仔)に名馬あり」を地で行く母仔です。また、祖母ローザネイの子孫は独特の切れ味を発揮する馬として認識されています。ローズバド、ロゼカラー、ロサード。確かに鋭い末脚の馬ばかりです。

[ウイークポイント]
本馬は父サンデーサイレンスの形相を受けました。サンデーサイレンス産駒のGI馬のうち、父から形相を受けたと思われる馬は、初年度のタヤスツヨシと3年度のサイレンススズカの2頭のみです。大多数は4代血統構成の別馬からの形相を受けています。サンデーサイレンスは乳酸の溜まりやすい体質だったそうで、直線でバテそうになったのを「雑草血統のど根性」で盛り返していたようです(苦笑)。それはさておき、ローズバド自身の「鋭すぎる末脚」も合わせて考えると、2400mへの距離延長は言われているほど有利とは思えません。また、前走で6kg減の410kgとなった馬体の細化も気になるところです。ひとつ確実なのは、同じSS産駒であるダイワルージュやハッピーパスとの1着2着はないことです。

馬名 8代残牡先祖数 潜在能力指数 少ない先祖
(父)シェリルウーマン
栗毛 1998.4.30[F4-N]
6/128
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Shantung
形相の遺伝 料の遺伝 母の何番仔?
ターゴワイス(Sir Cosmo) 4.25 6番仔
母父 祖母父 曾祖母父
メジロライアン(0.50)
鹿毛 1987.4.11
ターゴワイス(1.75)
黒鹿毛 1970.4.10
Northern Dancer(0.25)
鹿毛 1961.5.27
Shantung(0.25)
鹿毛 1956
祖母 曾祖母 4代母
シャンハイリル(0.75)
栗毛 1986.4.7
ピエールプレシューズ(1.50)
鹿毛 1979.6.13
Shanghai Melody(1.00)
栗毛 1974
Dixieland(1.00)
鹿毛 1961

[Notes]
ジュニアカップ2着、クロッカスS3着、アネモネS3着とオープン競走で惜敗を続けたシェリルウーマン。オークストライアル・スイートピーSで、そのうっぷんを晴らしました。勝ち名乗りを挙げて、いざ本番へ向かいます。

[セールスポイント]
本馬はNorthern Dancer4×3の近親交配馬です。しかし、父方のNorthern Dancerの数値が0に近いため、近親交配による弊害が極小化されています。再び活性となりつつあるNorthern Dancer系ですが、やはり0で持っている馬は有利です。本馬は、Phalaris系とSt.Simon系のニックス配合をくり返し用いて、巧みな配合の妙により、8代残牡先祖数を『6/128』まで減らした高素質の牝馬です。曾祖母父Shantungの血もマイナーで良い味を出しています。なお、メジロライアンの4代母とShantungの母が同じBarley Cornであるため、本馬はBarley Corn5×5の牝馬クロスを持っています。今年のオークス出走馬の中では1、2を争う中島理論的良馬です。<2001/05/17 書き直しました>

[ウイークポイント]
フローラSとスイートピーSの両トライアルは、オークスと同じ東京競馬場で行われます。しかし、どうも本番とは直結しないようです。スイートピーS組も、「いざGIレース!」となると、ことごとく敗れ去っています。この10年では4着が最高着順です。また、本馬の4代血統構成の最優性先祖は『ターゴワイス』であり、本来はマイル戦あたりを得意にすると考えます。個人的には応援したい馬ですけれど…。

馬名 8代残牡先祖数 潜在能力指数 少ない先祖
(市)リキセレナード
鹿毛 1998.3.29[FA13]
18/128
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Noholme
形相の遺伝 料の遺伝 母の何番仔?
Noholme 4.00 4番仔(空胎後)
母父 祖母父 曾祖母父
ジェイドロバリー(0.50)
黒鹿毛 1987.3.14
ミスターシービー(1.50)
黒鹿毛 1980.4.7
エルセンタウロ(0.625)
黒鹿毛 1959.9.1
Noholme(1.625)
栗毛 1956.10.6
祖母 曾祖母 4代母
ムーンセレナード(0.50)
黒鹿毛 1987.4.9
ダイナセレナード(1.75)
黒鹿毛 1979.3.1
フリソデ(1.50)
栗毛 1972.4.19
Mr.B's Sister(0.25)
栗毛 1962

[Notes]
今年5走目となったスイートピーSで2着になりました、小倉3歳チャンピオン・リキセレナード。距離が更に600m伸びるオークスで、新境地を開拓できるでしょうか。

[セールスポイント]
本馬は母が「空胎後」の4番仔として生産されました。お腹を空けた母から、充実したエネルギーを受け継ぎました。配合面では、祖母父にFairway系のエルセンタウロ、曾祖母父にHyperion系のNoholmeという南半球血統を持っており、血の活性化を図っています。形相の遺伝の対象も『Noholme』であり、異系の血を上手く呼び起こしていると考えます。また、母父に入って良い仕事をするミスターシービーを持っているのもGoodです。

[ウイークポイント]
スイートピーS勝ち馬同様、2着馬も本番では「まったく」と言ってよいほど良績がありません。牝馬どうしの争いとは言え、Mr.Prospector系種牡馬ジェイドロバリーの仔が、東京芝2400mのGIレースで好走するイメージが湧きません……。母方の種牡馬ミスターシービー、エルセンタウロ、Noholmeからは距離をこなしてもおかしくありませんが、母ムーンセレナードは芝1200mのオープン特別勝ち馬でした。それにジェイドロバリーを付けた所を見ると、短距離志向の配合です。


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