中島理論で見るGIレースの勝ち馬(1994年編)

マーベラスクラウン
  • せん
  • 栗毛
  • 1990.3.19生
  • 新冠・早田牧場新冠支場生産
  • 馬主・笹原貞生氏
  • 栗東・大沢真厩舎
マーベラスクラウンの4代血統表
Miswaki
栗毛 1978
種付け時活性値:0.75
Mr.Prospector
鹿毛 1970.1.28
★Raise a Native
栗毛 1961.4.18
Native Dancer 1950.3.27
Raise You 1946
Gold Digger
鹿毛 1962.5.28
Nashua 1952.4.14
Sequence 1946
Hopespringseternal
栗毛 1971
Buckpasser
鹿毛 1963.4.28
Tom Fool 1949.3.31
Busanda 1947
Rose Bower
栗毛 1958
Princequillo 1940
Lea Lane 1952
モリタ
栗毛 1978.10.30
仔受胎時活性値:0.625

Harbor Prince
栗毛 1969
種付け時活性値:0.00
Prince John
栗毛 1953
Princequillo 1940
Not Afraid 1948
Hornpipe
栗毛 1965
Hornbeam 1953
Sugar Bun 1946
Cathmoi
栗毛 1972
仔受胎時活性値:1.25
Alvaro
鹿毛 1965
種付け時活性値:1.50
Rockefella 1941
Aldegonde 1955
Untried
栗毛 1964
仔受胎時活性値:1.75
The Summit
1951
種付け時活性値:1.00
Cordial
1957
仔受胎時活性値:1.50
マーベラスクラウンの4代血統構成&4代父系の活性値&4代父系の分枝状況
母父 祖母父 曾祖母父
Miswaki
(Mr.Prospector系)
Harbor Prince
(Princequillo系)
Alvaro
(Hyperion系)
The Shummit
(Son-in-Law系)
父の活性値 母父の活性値 祖母父の活性値 曾祖母父の活性値
0.75
(11歳時交配)
0.00
(8歳時交配)
1.50
(6歳時交配)
1.00
(12歳時交配)
父の分枝状況 母父の分枝状況 祖母父の分枝状況 曾祖母父の分枝状況
Whaleboneの17代孫 Eclipseの16代孫 Bay Ronaldの5代孫 Bay Ronaldの5代孫
マーベラスクラウンのB&B理論的総括
8代残牡先祖数 4代血統構成
(資質固定指数)
潜在能力値 少ない先祖etc
7/128 x  B  C  C
(0.50)
3.50 Harbor Prince
Alvaro
The Shummit
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 何番仔?
Alvaro 5.125 母新オークス馬
(No.13-A)
5番仔
(2連産目)

潜在能力値は数値が少ないほど大きいことを示しています。

[Notes]

『暴れん坊』マーベラスクラウン。前年のレガシーワールドに続いて、日本のせん馬がジャパンカップ(以後、JCと略)を2年連続で制しました。北米芝王者パラダイスクリークとの壮絶な叩き合いを、わずかに「ハナ」差、しのぎました。勝ち時計の2分23秒6はJC史上3番目の好タイムでした。マーベラスクラウンの鞍上は南井克巳騎手、所属は栗東・大沢真厩舎、生産者はビワハヤヒデ&ナリタブライアン兄弟の早田牧場。3者ともにJC初制覇でした。なお、レースの3着には天皇賞・秋に続いて『最強の3勝馬』ロイスアンドロイスが入りました。

マーベラスクラウンの血統構成は、『Mr.Prospector系×Princequillo系×Hyperion系×Son-in-Law系』となります。父Miswaki、母父Harbor PrinceがそれぞれWhalebone分枝17代孫、Eclipse分枝16代孫となりネオ異系の働きをなしています。マーベラスクラウンはPrincequillo4×4のクロスがありますが、母父Harbor Princeが母モリタに対して8歳時の0交配を与えており、このクロスは弊害なく先祖の数を減らしています。また、4代に用いられた種牡馬の活性値がそれぞれ『0.75、0.00、1.50、1.00』と別数値であり、知的素質の向上に一役買っています。なお、マーベラスクラウンの血統構成内にNorthern Dancerの姿はなく、Native Dancerは直系祖父Mr. Prospectorがその父Raise a Nativeから受けた8歳時の0交配により0化されます。

マーベラスクラウンの牝系は、ニュージーランドで受け継がれている13号族Cordial系。母モリタ(新国産)は4勝を挙げ、ニュージーランドオークス(GI)の勝ち馬。3番仔グランドフロティラは仏米日で10勝を挙げ、ハリウッド・ターフH(米GI)を勝ちました。マーベラスクラウンは5番仔です。祖母Cathmoi(新国産)は3勝馬。モリタは初仔となります。そして、不受胎後の3番仔に、7勝を挙げDBドラフト・エイヴァンデイルC(新GI)を2回勝ったMaurineを輩出しました。モリタとMaurineは全姉妹です。曾祖母Urtried(新国産)は4勝馬。初仔としてCathmoiを輩出しました。

結果的に、このJCがマーベラスクラウンにとって生涯最後の勝利となりました。脚元に不安が出てしまったのです。レガシーワールドにせよ、マーベラスクラウンにせよ、厳しい闘いで勝利を収めた後には、自身との戦いが残るものなのですね。「種馬になることができない、せん馬の悲哀」ということを言われますが、戦いから逃れた今、両馬ともに、せめて幸せな余生を送って欲しいと願います。

[余談]
この1994年のJCでは2組の兄弟対決がありました。1組目はグランドフロティラとマーベラスクラウン。結果は兄8着、弟(?)1着で、弟に軍配が上がりました。2組目はヨハンクアッツ(保手浜弘規氏の持馬)と仏ダービー馬エルナンド。結果は兄12着、弟4着で、これまた弟に軍配が上がりました。弟の若さが勝った、ということでしょうか。

[中島理論で見るGIレースの勝ち馬(1994年編)]  目次へ戻る

2000〜2008  オオハシ  colorfulmelody.nakajima@gmail.com