チタニックオー  [ Home >> B&B >> 2000年クラシック牡馬編 ]

2000年のクラシック候補生たちを中島理論的に分析していこうという企画です。
第9回目の今回はシンザン記念2着馬、チタニックオー号を分析してみましょう。

以下の文章中、チタニックオーは本馬と称します。4代血統構成において父は壱、母父は弐、祖母父は参、曾祖母父は四と表します。


チタニックオー   牡   鹿毛   1997.4.1生   栗東・渡辺栄厩舎   Family No.7

[戦績]
シンザン記念(GIII)2着、北九州3歳S(OP)2着。3月8日の時点で9戦1勝、2着2回。

[血統]
父はトウカイテイオー(1988.4.20)。日本ダービー(GI)、有馬記念(GI)、ジャパンカップ(GI)、皐月賞(GI)、大阪杯(GII)等、通算12戦9勝。同馬は、その父シンボリルドルフ(1981.3.13)の初年度産駒にして、現在のところ最高傑作の産駒。本馬は父の2年度産駒となります。父の他の産駒にノボエイコーオー(1996.4.22)、タイキポーラ(1996.4.28)等。

母はトロピカルメイク(1989.5.28)。現役時代は38戦3勝。同馬の産駒にトロピカルビーチ(1995.3.27)、ブルーパシフィック(1996.4.11)。本馬は母の第3仔となります。牝系はアリゼッタ(1960)を日本の牝系祖とする7号族。近親にKBS紅梅賞(OP)を繰り上がりで勝利したフレンチパッサー(1988.5.27)−その紅梅賞で降着処分を受けたのは、後のエリザベス女王杯馬であるリンデンリリー(1988.3.16)−がいます。本馬は、やや活力の薄れていた牝系から久しぶりに出た活躍馬です。

本馬の8代残牡先祖数は『7/128』と推定します。4代血統構成を見ると、壱はトウカイテイオー、弐はリアルシャダイ(1979.5.27)、参はノーザンテースト(1971.3.15)、四はスノッブ(1959)です。本馬の生年月日(1997.4.1)と壱の生年月日(1988.4.20)とを照らし合わせると、種牡馬の誕生日に活性値が『0.00』になるのであれば、本馬は『0の遺伝(8歳時交配)』を受けているものと思います(本馬の生年月日より、母の受胎推定日は1996年5月1日だから)。今回は『0の遺伝』を受けたと判断します。本馬はNorthern Dancer(1961.5.27)の4×4を持つ近親交配馬ですが、壱の『0の遺伝』により弊害なく先祖の数を減らしています。

本馬の参にノーザンテーストがいます。同馬は11年連続リーディングサイアーに輝いた名種牡馬ですね。しかし、同馬の産駒が増えすぎた為でしょうか、弐(母父)にいる場合は、GIレースでやや底力の足りない産駒が多く見られます。近年のGI勝ち馬で、同馬を母父に持つ馬と言えば、フラワーパーク(1992.5.8)、エアグルーヴ(1993.4.6)、アドマイヤコジーン(1996.4.8)等がいます。フラワーパークの母であるノーザンフラワー(1977.5.1)は初年度産駒、エアグルーヴの母であるダイナカール(1980.5.10)は0遺伝馬、アドマイヤコジーンは母アドマイヤマカディ(1991)の初仔(勝ったレースは2歳GI)。いずれも条件付の遺伝がなされています。参にノーザンテーストがいる産駒といえば、エアジハード(1995.4.9)、ペインテドブラック(1996.5.13)、ステイゴールド(1994.3.24)等が代表産駒です。エアジハードとペインテドブラックは、オークス馬であるシャダイアイバー(1979)の孫です。ステイゴールドの祖母であるダイナサッシュ(1979)は、サッカーボーイ(1985.4.28)の母です。シャダイアイバー、ダイナサッシュともにノーザンテーストの3年度産駒です。本馬の祖母トロピカルダイナ(1978)は、ノーザンテーストの2年度産駒です。産駒数の少なかった若年期の産駒の子孫であるならば、GIレースへ行って勝負になるようです。

ノーザンテーストを母父に持つGIホースと言えば、皐月賞馬ダイナコスモス(1983.3.25)がいます。ダイナコスモスの母であるシャダイワーデン(1977)は初年度産駒。同様に、秋の天皇賞(GI)を勝ったレッツゴーターキン(1987.4.26)の母であるダイナターキン(1979.4.8)は3年度産駒。やはり若年期の産駒ですね。あと、イブキマイカグラ(1988.2.24)やサクラチトセオー(1990.5.11)&サクラキャンドル(1992.4.9)兄妹等もいます。これら3頭の母はいずれも1982年生まれです。ノーザンテーストは1971年生まれですから、1982年生まれの牝馬に対して、10歳時交配の活性値0.5を渡します。そして、ノーザンテースト自身は、その父Northern Dancerの9歳時交配による活性値0.25を持っています。ゆえに乗算活性値は0.5×0.25=0.125となり、Northern Dancerは準0化されます。ノーザンテーストを父に持つ繁殖牝馬は、1982年以前の生まれであるか、1983年以降の生まれであるかということに大きな差があります。ダイナアクトレス(1983.5.4)、ダイナフェアリー(1983.4.30)の仔どもたちはどうですか?

サクラバクシンオー(1989.4.14)も母父ノーザンテーストですね。母はアンバーシャダイ(1977.3.10)の妹であるサクラハゴロモ(1984)。彼女は1984年生まれです。しかし、サクラバクシンオーは母の初仔です。やはり条件付の遺伝がなされています。また、ダイナアクトレスの仔であるステージチャンプ(1990.5.17)も初仔です。−2000年4月6日、追記−

4代血統構成馬の父系分枝状況に目を向けると、
壱  Herod(1758)系
弐  Nearco(1935.1.24)の5代孫
参  Nearcoの3代孫
四  Birdcatcher(1833)の11代孫

弐、参、四はBirdcatcher分枝系の同族圏内馬。しかし、壱がHerod系なので異系マジックが生じます。本馬の異系マジックは『1』となります。ゆえに潜在能力指数は『5.25』と補正されます。本馬はPhalaris(1913)系とHerod系の返しニックス配合となっています。

本馬の活力の源泉は、父より直接受けた『0の遺伝』と血統構成(異系マジック&Northern Dancer及びNative Dancerの血をグリーンで0化)にあると思います。父母の交配年齢も『父8歳時、母7歳時』と活躍馬に割と見られるパターンです。

本馬の最優性先祖は祖母父ノーザンテースト(6歳時交配で活性値1.50)です。形相遺伝はノーザンテーストの祖母父Hyperion(1930.4.18)と判断します。また、本馬の料的遺伝の値は5.00です。オープン馬として平均以上の体力を持っていると思います。Herod系の馬は一生懸命に走るタイプが多いと思いますので、この5.00という大きな値は良いと思います。

[最後に]
まだ1勝馬ではありますが、あのトウカイテイオーの産駒ですから。応援したいと思います。

[追記]
弥生賞、かつて自分が乗っていたエリザベスローズの仔の勝ちっぷりを、チタニックオーの鞍上角田晃一騎手はどのように思われたでしょうか。角田騎手も最近「中堅の中堅」という感じになってきました。チタニックオーは、まだ1勝馬ながら良馬であると思います。一発、カマシて欲しいものです。−2000年3月8日、追記−


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