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Seattle Slew(1974.2.15)とAffirmed(1975.2.21)。彼らは1歳違いの米国三冠馬で、ともに父がスーパーマイナースタリオンです。境遇はよく似ています。しかし、彼らの繁殖成績は大きな差がついてしまいました。
Seattle Slewは直父系がNasrullah(1940.3.2)の0遺伝を受けているため、米国に数多いるNasrullah有数値の繁殖牝馬に対して有効な種牡馬でした。それゆえに「名馬にして名種牡馬」に成り得ました。
一方のAffirmedはというと、直父系はアメリカン・ダミー界の最大手と言えるNative Dancer(1950.3.27)系でした。Affirmedが繁殖界に入った当時、父系のダイナミズムは彼の後押しをしていたはずなのです。
しかし、父系のダイナミズムはAffirmedではなく、彼に敗れつづけたAlydar(1975)を後押ししました。米三冠すべて2着の馬です。Alydarもまた、Nasrullahの0遺伝を持つ馬でした。この辺りの血の流れは「求められていたもの」の違いということでしょうか(更にAlydarは「頂点1歩手前」の向上精神を産駒に伝えることができた、ということも言えますね)。
頂点を極めた馬でも、種牡馬として供用された時代における「求められている血」ならば、生き残ることは可能なのでしょう。更に思うことは「マイナー種牡馬が輩出した名馬ならば、種牡馬になってもある程度の活力を産駒に伝えることができる」ということでしょうか。
参考:各馬の残牡先祖数。
※ただし、Affirmedは準0遺伝が多いため、活性値により7代残牡先祖数の変化が大きいと思います。
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