世界のダービー勝ち馬(2001年編)

Monarchos
  • 芦毛
  • 1998.2.9生
  • 米国・J.スクワイアーズ生産
  • 馬主・J.オックスリー
  • 米国・J.ワードJr.厩舎
Monarchosの4代血統表
Maria's Mon(USA)
芦毛 1993
種付け時活性値:1.00
Wavering Monarch
鹿毛 1979
Majestic Light
鹿毛 1973
Majestic Prince 1966
Irradiate 1966
Uncommitted
鹿毛 1974
Buckpasser 1963.4.28
Lady Be Good 1956
Carlotta Maria
芦毛 1984
★Caro
芦毛 1967
フォルティノ 1959.4.19
Chambord 1955
Water Malone
芦毛 1974
Naskra 1967
Gray Matter 1966
Regal Band(USA)
鹿毛 1987
仔受胎時活性値:0.50
<北米3勝>
Dexieland Band(USA)
鹿毛 1980
種付け時活性値:1.50
Northern Dancer
鹿毛 1961.5.27
Nearctic 1954.2.11
Natalma 1957.3.26
Mississippi Mud
鹿毛 1973
Delta Judge 1960
Sand Buggy 1963
リーガルロベルタ(USA)
青鹿毛 1980
仔受胎時活性値:1.50
<北米0勝>
Roberto(USA)
鹿毛 1969.3.16
種付け時活性値:0.50
Hail to Reason 1958.4.18
Bramalea 1959.4.12
Regal Road(USA)
鹿毛 1971
仔受胎時活性値:2.00 or 0.00
<北米6勝>
Graustark(USA)
栗毛 1963
種付け時活性値:1.75
On the Trail(USA)
黒鹿毛 1958
仔受胎時活性値:1.00
Monarchosの4代血統構成&4代父系の活性値&4代父系の分枝状況
母父 祖母父 曾祖母父
Maria's Mon
(Native Dancer系)
Dixieland Band
(Northern Dancer系)
Roberto
(Turn-to系)
Graustark
(Ribot系)
父の活性値 母父の活性値 祖母父の活性値 曾祖母父の活性値
1.00
(4歳時交配)
1.50
(6歳時交配)
0.50
(10歳時交配)
1.75
(7歳時交配)
父の分枝状況 母父の分枝状況 祖母父の分枝状況 曾祖母父の分枝状況
Phalarisの9代孫 Nearcoの3代孫 Nearcoの4代孫 Eclipseの16代孫
MonarchosのB&B理論的総括
8代残牡先祖数 マジック数 潜在能力値 少ない血etc
12/128 1 9.00 父初年度産駒
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 何番仔?
Graustark
(Regal Road)
5.50 or 3.50 エアシャカールと同牝系
(No.4-R)
4番仔

潜在能力値は数値が少ないほど大きいことを示しています。

[Notes]

バラの首飾りを競う「Run for the Roses」ことケンタッキーダービー。新世紀を迎えて第127回となったそのレースの勝ち馬は、芦毛の6番人気馬Monarchosでした。レースは半マイルの通過が44秒86(!)、6ハロンの通過が1分9秒25(!)という史上最速ペースで流れ、後方13番手に控えたMonarchosが、直線を閃光の末脚で差し切るという内容でした。その勝ち時計1分59秒97は、かのSecretariat(1970.3.30)の1分59秒2/5に次ぐ歴代2位の好タイムでした。J.シャヴェス騎手、J.ワードJr.調教師、J.オックスリー氏はいずれも初の栄冠となりました。2着には単勝56倍の人気薄Invisible Ink、3着にはCongaree(1998.4.20)が入りました。単勝1番人気のPoint Given(1998.3.27)は、大外17番枠の不利もあり5着に敗れました。なお、Invisible Ink&Point Givenの父はサンダーガルチ(1992.5.23)、Congareeの父はアラジ(1989.3.4)となり、日本導入種牡馬の産駒となります。

中島理論的解釈をするならば、4代血統構成はすべてEclipse(1764.4.1)系となるものの、曾祖母父GraustarkがEclipseの16代孫となり異系の代役を果たしています。形相の遺伝がそのGraustarkであることもプラスです。なるべく、4代の最優性先祖は異系であることが望ましいと考えます。付け加えて、Monarchosの場合、4代血統構成馬の活性値が『1.00、1.50、0.50、1.75』とすべて別数値となります。活性値の強弱をつけることにより、同父系の累代交配の弊害を小さくしています。また、直父系はNative Dancer系のMajestic Prince分枝となります。やや勢いの薄れている父系ですが、Monarchosはその父Maria's Monの初年度産駒となり、産駒の絶対数の少なさをもって活力としています。なお、Native Dancerは4代のブルー0クロスにより0化されています。

よく言われることですが、ケンタッキーダービーは比較的早い時期−例年5月上旬−に行われるため、どちらかというと諸外国のギニーレースに近い性格を持っています。距離や施行時期を考えるならば、米三冠最終戦であるベルモントS(距離12F。米GI)が、いわゆる「ダービー」という感じです−例年6月上旬に施行−。頂点を決するという意味では、ケンタッキーダービー馬は、必ずしも「頂点」という訳ではないと思います。かのNorthern Dancer(1961.5.27)は、ケンタッキーダービー、プリークネスS(距離9.5F。米GI)連覇の後、ベルモントSをQuadrangle(1961.4.16)の3着に敗れています。また、サンデーサイレンス(1986.3.25)も、二冠達成後の三冠最終戦では、宿敵Easy Goer(1986.3.21)から8馬身差の2着に敗れています。近年ではSilver Charm(1994.2.22)やReal Quiet(1995.3.7)やCharismatic(1996.3.13)が、同様の「二冠達成後、ベルモントS2着(あるいは3着)馬」となっています。

Monarchosの牝系は、米国で受け継がれている4号族。4代母On the Trailからの分枝は日本とも関わりが深く、名種牡馬ブライアンズタイム(1985.5.28)、ニ冠馬エアシャカール(1997.2.26)、オークス2着馬エアデジャヴー(1995.3.27)などがこの牝系から出ています。母Regal Bandは北米で18戦3勝。Monarchosは4番仔となり、初めての重賞勝ち産駒となりました。祖母リーガルロベルタは北米で入着級。1992年に日本に輸入されています。同牝馬が日本輸入前の外国産産駒に、2勝馬キョクコウ(1990.3.5)がいます。曾祖母Regal Roadは北米で6勝。産駒Rampart Road(1986)は北米5勝を挙げ、ペガサスH(米GI)2着で種牡馬入りしています。以上のように、近親に目立った活躍馬はありませんが、牝系の持つ底力が名馬を輩出しました。

この後、三冠戦線の主役の1頭としてプリークネスS、ベルモントSに出走しました。しかし、それぞれ6着、3着と敗れました−勝ち馬はいずれもPoint Given−。ケンタッキーダービー馬の威厳を保つためにも、これからの活躍に期待します。

[通算成績]

7戦4勝。2歳時2戦0勝、3歳時5戦4勝。<ケンタッキーダービー終了時の成績>
主な勝ち鞍にケンタッキーダービー(米GI)、フロリダダービー(米GI)。

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