中島理論で見るGIレースの勝ち馬(1995年編)

[Notes]

『摩耶山から願いを込めて』マヤノトップガン。神戸&京都新聞杯で連続2着だったマヤノトップガンが、4番手先行策から直線抜け出しました。勝ち時計3分4秒4は、前年のナリタブライアンの記録を0秒2上回る菊花賞レコードでした。レースの2着には『トモの張りが素晴らしく見えた』トウカイパレス、3着には『ホントは絵描きの方のルソー』ホッカイルソーが入りました。マヤノトップガンの鞍上は田原成貴騎手。この名騎手にして牡馬クラシック初制覇でした。所属は栗東・坂口正大厩舎、オーナーは田所祐氏、生産者は新冠・川上悦夫氏。この年の阪神大震災により、ご自分の病院が大被害を受けられたうえに弟さんを失われた田所オーナー。その震災の日、田所オーナーの病院で一夜を過ごされて震災の只中にいらっしゃった坂口調教師。たくさんの人の命が失われたあの震災。ユニフォームの袖に「がんばろう神戸」というフレーズを携えて戦い、この年のペナントレースを制したプロ野球・オリックスブルーウェーブ。摩耶山という山は、六甲山から連なる峰のひとつで、眼下には神戸港を望む山です。その摩耶山からの願いを受けて、マヤノトップガンは、秋の淀で飛翔しました。失われてしまった命に後押しされたかのように、オリックスとマヤノトップガンは、それぞれに勝利を収めました。