中島理論で見るGIレースの勝ち馬(1992年編)

アドラーブル
  • 栗毛
  • 1989.3.28生
  • 千歳・社台ファーム生産
  • 馬主・根岸治男氏
  • 栗東・小林稔厩舎
アドラーブルの4代血統表
ノーザンテースト
栗毛 1971.3.15
種付け時活性値:0.25

Northern Dancer
鹿毛 1961.5.27
Nearctic
黒鹿毛 1954.2.11
Nearco 1935.1.24
Lady Angela 1944 ♀
Natalma
鹿毛 1957.3.26
Native Dancer 1950.3.27
Almahmoud 1947
Lady Victoria
黒鹿毛 1962.2.20
Victoria Park
鹿毛 1957.5.10
★Chop Chop 1940
Victoriana 1952
Lady Angela
栗毛 1944 ♀
Hyperion 1930.4.18
Sister Sarah 1930
エコルシュ
黒鹿毛 1982.1.31
仔受胎時活性値:1.50
Big Spruce
黒鹿毛 1969
種付け時活性値:1.00
Herbager
鹿毛 1956
Vandale 1943
Flagette 1951
Silver Sari
鹿毛 1961
Prince John 1953
Golden Sari 1956
Idmon
栗毛 1975
仔受胎時活性値:1.50
Dr.Fager
鹿毛 1964.4.6
種付け時活性値:0.50
Rough'n Tumble 1948
Aspidistra 1954
Arachne
栗毛 1967
仔受胎時活性値:1.75
Intentionally
青毛 1956
種付け時活性値:0.50
Molecomb Peak
栗毛 1950
仔受胎時活性値:2.00(0.00)
アドラーブルの4代血統構成&4代父系の活性値&4代父系の分枝状況
母父 祖母父 曾祖母父
ノーザンテースト
(Northern Dancer系)
Big Spruce
(Herbager系)
Dr.Fager
(Himyar系)
Intentionally
(Man o'War系)
父の活性値 母父の活性値 祖母父の活性値 曾祖母父の活性値
0.25
(17歳時交配)
1.00
(12歳時交配)
0.50
(10歳時交配)
0.50
(10歳時交配)
父の分枝状況 母父の分枝状況 祖母父の分枝状況 曾祖母父の分枝状況
Whaleboneの15代孫 Touchstoneの11代孫 Touchstoneの12代孫 Matchem〜Man o'War系
アドラーブルのB&B理論的総括
8代残牡先祖数 4代血統構成
(資質固定指数)
潜在能力値 少ない先祖etc
9/128 A  C  z  D
(0.25)
2.25 Big Spruce
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 何番仔?
Big Spruce
(Silver Sari)
6.75 or 4.75 全弟ノーザンレインボー
(No.14-C)
初仔

潜在能力値は数値が少ないほど大きいことを示しています。

[Notes]

栗毛の410kgの牝馬、アドラーブル。小さなその身体に闘志を秘めて、オークスでは17頭の同期生たちを蹴散らして勝利を収めました。「小さな馬が活躍するオークス」という格言そのままに、1着のアドラーブルが410kg、2着のサンエイサンキューが426kgという軽量馬どうしでした。アドラーブルの鞍上村本善之騎手、管理された小林稔調教師ともに牝馬クラシック初制覇となりました。

中島理論的解釈を行うと、4代血統構成は『Northern Dancer系×Hampton系×Himyar系×Man o'War系』となります。それぞれWhaleboneの15代孫、Touchstoneの11代孫、Touchstoneの12代孫、Man o'War 〜 Matchem系となります。曾祖母父Intentionallyの異系マジック、父ノーザンテーストと祖母父Dr.Fagerのネオ異系マジックにより、マジック数は『3』となり潜在能力指数は『2.25』と補正されます。アドラーブルは直父系にNorthern Dancerを保有しています。しかし、父(ノーザンテースト、1971)と祖父(Northern Dancer、1961)の活性値の乗算が、「0.0625」という極めて0に近い数値により、準0化されます。牝系は、Sister Sarah(1930)系。この牝系からNearctic、ノーザンテーストなどが輩出されています。ゆえに、この両者を直父系先祖に持つアドラーブルは、Sister Sarahの牝馬クロスを4×5×7で持ちます。

アドラーブルは父ノーザンテーストの産駒として、シャダイアイバー、ダイナカールに続く3頭目のオークス馬であり、2000年7月現在最後のGIホースとなっています。多産種牡馬となったノーザンテーストですが、牝馬に限っては潜在能力の高い産駒たちがGIレースで勝利を収めたり、連対を果たしたりしました。2001年10月現在、ノーザンテースト産駒のGIレース最後の連対は、エアデジャヴーによる1998年のオークス2着です。

牝馬の闘争の目的は、群れにおける優位である秩序を得ると共に、交配を受ける優先権を獲得するためのものである。

牝馬の競馬場における姿は、優位への秩序闘争を演じている。それが牝馬の競馬で、交配権を争う牡馬の闘争とは自ずと異なっている。

牝馬は繁殖界において、ボスの交配を受けるという受動の立場であり、牡馬ならば、まったく無用の種付頭数が多い種牡馬や、無用の父系の産駒であっても、遺伝的な能力に秀れているならば、秩序のトップを争うための闘争本能は本能的に持っている。(中略)

つまり、牝馬のレースは高い潜在能力を遺伝されたものが、最高のコンディションで挑んだならば、レースの主導権を握る。

−『競馬最強の法則』誌、1998年4月号、P32(B&B理論、連載第3回)より抜粋。−

また、アドラーブルは母エコルシュの初仔としてこの世に生を受けました。初仔は母体の充実を受け継ぎ、良馬となる可能性を秘めています。「初仔の腹つくり」と言わずに、生産者の皆様には1頭目から、むしろ1頭目だからこそ生産の勝負をしていただきたいと存じます。まま、確かに「初仔は大きな仔が出にくい」というデータもございます。アドラーブル自身も410kgそこそこの小さな馬体でした−えっ、ニシノフラワーの項と馬名と馬体重が変わっているだけでほとんど同じ文章ですって?そ、それはその通りでございます(2回目)−

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